RIKKYO ACADEMIA

Bible, Theology, Literature

Entries from 2024-01-01 to 1 year

福音と表象(1)

福音という言葉は、福音書や福音主義などの表現によってある種枕詞のようになってしまっており、意味を理解していない人が多いのではないかと感じられるときがあります。福音的、とか福音に基づいてなどというと聖書至上主義的な考え方なのだと勘違いされて…

福音を聞く

信仰 信仰について少し考えてみたい。それは現代の市民社会では、宗教的信条ないし実践として捉えられており、昨今の宗教に対する風当たりの強い風潮の中では、非合理的「狂信」ように思われる向きがある。しかし、信仰とは本当にそのような非合理的で、熱狂…

愛されることよりも、愛することを

"I once was lost, but now I found. Was blind, but now I see." John Newton, Amazing Grace 私が信仰生活の中で最も大切にしている愛唱聖歌はなにか、と問われて"Amazing Grace"、聖公会聖歌集の540番『やさしき息吹の』が真っ先に浮かびます。黒人霊歌の…

言葉に仕える

洗礼と堅信。教会で執り行われた一連の秘蹟は、私が自由を獲得する過程そのものでした。 「今年のクリスマスは教会に行きたい」2020年の日記を紐解くと、こんな一文が書かれていました。拙い言葉ですが、当時の私の紛れもない信仰を表しています。その年、私…

神の御恵みの内に

「何事にも時があり天の下の出来事には全て定められた時がある」コヘレトの言葉3:1 「すべてに時がある」というメッセージは1節から8節まで続き、9節では「人が労苦したところで何になろう」という結論が出る。今の私には、この箇所が私たちに「心配するな…

日ノ丸基督教

キリスト教は異国の宗教。この冷たい言葉に一信徒である私は答えたいと考えております。第一に、日本で最も信徒数の多い仏教ですら、かつて異国のものであったのです。つまり、信条や教えというものはどこの国の所有物でもないということなのです。殊に普遍…